【未開拓な手の感覚 vol.1(1~3)】
身体の強さやフォーム等の技術ももちろん大切ですが、テニスにおいて感覚というものも重要になります。
先日、「ラケット面の角度が1度変わるとどれくらい誤差が発生するか?」という記事を書きましたが、単純にある程度の角度調節を目標にしなければならない状況があるからです。
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人は目に見えるものや、理論的に解明されていることには納得しやすいものの、解明されてないものに対しては否定的になりがちです。
そもそも人体自体が解明されていないことのほうが多いとさえ言われます。
だからといって迷信的な話をするわけではありません。
昔は、指導者やトレーナーが、「感覚」というものが不明確で、言葉で説明しきれないことから、踏み込みきれない領域と考えることが多かったそうです。
場合によってはアンタッチャブルな領域とも表現されたことさえあるとのことです。
しかし、現実はテニスに限らず、ミリ単位の調節が必要な動作を繰り返さなければならない競技も少なくないです。
もちろん、反復練習の賜物とも言えますが、仮にそれだけで片付けてしまったら、一種の根性論とも言えるかもしれません。
従来の練習や意識が悪いのではなく、それらを踏まえた上で、「手の感覚を研ぎ澄ます・鍛える」ために何が必要かということにフォーカスしなければならいないと考えます。
一流の整体師が、身体を触って悪い箇所を察知できたり、金属等を磨く職人が極小の単位で違いを感知できるようになる為には、何に気を付けて、反復繰り返す必要があるのか?
テニスをする人で、コートに入らくてよいと思って打っている人は誰もいません。
ということは、打つ時には最大限の意識をしているつもりとも言えます。
あらゆるコーチが、力加減や握り方の調整、時には手の中で意識の仕方に至るまでアドバイスを研究しています。
一方で、「感度」に関して言及することは少ないような気がします。
人は生まれた時から、手を使い、あらゆる物事に対して経験を重ねてきているだけに、誰もが手の感度に対して、潜在的に自信がある傾向があります。
仮に「手の感度が悪いから磨きましょう」をアドバイスされようものなら、不快に感じる方もいると思います。
それは誇張して表現するなら、一種の今までの人生を否定されるかのように感じられて、カチンとさえくるかもしれません。
ただ、ここで磨きたいのは、あくまでも「テニス専用の手の感覚」です。
自信があったとしても、意外と意識的に「手の感覚を磨こう」としたことは、あまり経験が無いものです。
そもそもが、「手の感覚が薄い・足りない」と感じる状況にならなければ、「磨きたい」という思考にもなり難いです。
トッププロが打っている姿を見ると簡単にコートに収めているように見えます。
苦しい態勢であったり、時には背面や股下でも、確かな面作りが出来て、ナイスボールで無かったとしても、コートに返している光景を見ます。
もちろん、膨大な練習量の賜物とはいえ、もしかしたら何か根本的に違うのではないかと考えさせられます。
身体的パフォーマンスが、相手選手よりも上回っていたとしても、必ず勝てる保証は無く、テニスは複合的な要素の組み合わせによって、勝敗という結果が導かれます。
技術・戦術・メンタル・体調・環境・・・
細かく要素を数えはじめたら限りないと思いますが、その中に「感覚」という要素もあるのではないか?
また、「テニスにおける手の感覚の鋭敏さ」を数値化できたとしたら、どんな差が生まれるのか?
疑問は生まれるものの、現状でそれを数値化して比較したりすることは非常に困難です。
しかし、数値化できなかったり、明確に実証できなかったとしても、そこに勝敗を分けるキッカケになるような要素が隠されている可能性があるのであれば、例え証明されることが後になったとしても、何か取り組んでみる価値があると考えます。
実際、様々な技術や戦術、トレーニングも、先に存在していて、少しずつ研究を重ねていくにしたがって、後々になって理論や構造が解き明かされてきた経緯も少なくないです。
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